鶴田正純君を悼む

 

太田治人（昭和43年卒）

 

　本年5月同期の鶴田君は肺がんでご逝去されました。

２ヵ月程前に浅草のご自宅に呼ばれ、親しく昔話に花を咲かせ、わずか３ヵ月後のことでした。　私の故郷は長野県諏訪市でありますが、母はその昔（と言っても戦国時代）諏訪を侵略していた甲斐（現在の山梨県）武田家を忌み嫌っており、私に小さい頃から山梨県出身者とは付き合うなといつも言っておりました。ところが三田キャムパスに入部、初めて友人となったのは山梨県出身の鶴田君でした。爾来40年、絶交したり仲直りしたり長い付き合いが始まりました。三田キャムパスに入部した新入生の時、夏の合宿で八丈島に行きましたが、彼は恐い先輩諸氏の目を盗み、八丈島に友達と遊びに来ていた女子学生をゲットして、大学卒業と同時に、同期の中で一番最初に結婚しました。今の奥様です。

彼女の実家は浅草で“おかめ”と云う小料理屋を経営しており、その縁で三田キャムの仲間で時しておかめで風論談発大変楽しい青春時代の思い出となりました。その後会社を辞め、彼の豪腕でおかめをビルに建て直し浅草でも有名なふぐ料理店としました。我々もプライベートな息抜き、会社の仕事等で利用させて頂きました。

三田キャムの部活動には殆ど貢献できず、先輩・同期・後輩に大変ご迷惑をお掛けしましたが、楽しい友情を育むことができました。

昨年肺がんが見つかり、強気な彼もかなり意気消沈しておりましたが、その12月藤森靖充、鈴木良太両先輩に事情を話し、鶴田君の最後の包丁のふぐ料理を食味しましたが、本当にこれが最後の包丁となりました。身長180�pを超え、90�s近くの偉丈夫の彼も、癌がリンパ、肝臓等に転移、お見舞いに行った時は見る影もなく今更ながら癌の恐ろしさを思い知りました。

今、身近な友人を亡くし大変淋しい想いで一杯であります。

ここに謹んでご冥福をお祈りいたします。